お盆の仏壇のお供え物の由来は?

皆さんの家には、お仏壇がありますか?
実家や本家という立場の家にお住まいですと仏壇あるところが多いと思いますが、仏壇はないという家のほうが多いかと思います。
ある法事の席でご住職さんがこんな風に話してくれました。
「仏壇はあの世のご先祖とこの世の私たちをつなぐものです」と。
「仏壇に手を合わせて話をすると、あの世のご先祖様は聞いているんですよ。」とも話していました。
仏壇につきものといえば、仏具類とお供え物ですが、普段のお供え物と違って、お盆の時のお供え物に「言い伝え」があるのをご存知でしょうか。
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仏壇のお参りの仕方と意味
祖父母の家、実家、知り合いのお宅にお参りに行って、仏壇に手を合わせると思いますが、一般的な仏壇のお参りの仕方を説明します。
①電気灯籠と呼ばれる仏壇の照明を点け、座布団に座ります。
②ロウソクに火をつけ、線香をロウソクの火に当て、線香を焚きます。
線香の置き方は宗派やその家庭の決まりで様々かと思いますが、前香炉と呼ばれる線香立てに立てるか、前香炉の大きさに合わせて線香を折って、寝かせます。線香を焚く意味は、その場を浄化するためだと言われています。
③鈴(りん)を撥(ばち)で叩きます。チーンときれいな音がするアレです。
お坊さんの読経の時と違って、叩く回数に決まりはないようですが、常識の範囲で1~2回叩きます。
りんを鳴らす意味は、その音でその人の邪気を払うと言われています。
④合掌して、ご先祖様に祈ります。
祈る内容は人それぞれかと思いますが、私は、最近あった出来事を話したり、感謝の言葉を言ったり、これからも守ってくださいなどとお願いごとをしたりしています。
お盆の時のお供え物は、ご先祖様の旅道具
お盆の時のお供え物で、「胡瓜の馬に、茄子の牛」といわれている「精霊馬(しょうりょううま)」というものを見かけるかと思います。
恐らく、皆さんの中には「どうして、馬と牛なんだろう?」と思うかもしれませんが、
胡瓜の馬には「あの世から、早く帰って来れるように」
茄子の牛には「あの世へ、ゆっくり帰れるように」
という言い伝えがあるのです。
お盆の時に仏壇の近くに「鬼灯(ほおずき)」という植物が飾られています。
「ご先祖様が、あの世とこの世を往復する時に、道を照らす提灯」
小銭が備えられていれば「三途の川の渡し賃」
という言い伝えがあります。
お盆の時の仏壇のお供え物というのは、いわば「ご先祖様の旅道具」となっているのです。
他にも落雁(らくがん)と呼ばれる米などのデンプン質の粉に水飴や砂糖を混ぜ、着色し、型に入れて乾燥して作るお菓子も飾ります。
白、ピンク、水色、黄色のキクの花、葉っぱの形などのものがあります。
お盆のお供え物についての言い伝えを、子供達に教えてみませんか。
宗教や地域によって、お盆のお供え物については多少違いがありますが、言い伝えについては「古き良き日本」という意味で、良い風習だと感じています。
しかし、こうした日本古来の風習というのは、段々と薄れていっているのが現状といえます。
これは、核家族や高齢化が進み、「お仏壇がない」または「年老いてこうした風習を行うのが困難」というのが考えられるます。
お仏壇のお供え物ですから、仏壇がないといけないと考えるかもしれませんが、お仏壇がなくても、お盆の時期になればこうしたお供え物がスーパー等で沢山売られていますので、お子さん、お孫さんと買い物に行った際に見かける機会が増えます。
そんな時に、「胡瓜の馬があると、ご先祖様が早く帰って来れるから、一緒に作ろうね。」とお子さんやお孫さんに話してみるのは、如何でしょうか。このような言い伝えを話す事で、子供達は、お盆のお供え物の言い伝えやお盆の風習について学ぶ事が
できますので、これが日本古来の風習を、子供達に繋げられる一つの方法となるかもしれませんね。
私は、祖父母宅にまず上がってから、帰るときの2回仏壇に手を合わせることが当たり前になっていたので、自分の子供たちも自然にそのようにするように育てました。
そうやって、日本の仏教の風習を伝えていければいいなと思います。
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